ジャコウネコの糞？ジャコウネココーヒーは汚いのかコピルアクの製造過程と徹底解説

「ジャコウネココーヒー（コピルアク）」という特殊なコーヒー豆について聞いたことがありますか？「ジャコウネココーヒー（コピルアク）」は非常に高級なコーヒー豆で、その生産過程が非常にユニークなものであることで知られています。

具体的には、ジャコウネコが食べたコーヒーチェリーから豆が取り出されるという方法です。

「つまりジャコウネコの糞からコーヒー豆が採れる」というこの事実については、多くの人々が「汚いのでは？」と疑問を抱いているかもしれません。

それは真実なのでしょうか？

 「ジャコウネココーヒー（コピルアク）」の製造過程は実際にはどれほど衛生的なのでしょうか？
 コーヒー豆は本当にジャコウネコの糞から取り出されるのでしょうか？
 それとも他に何か過程があるのでしょうか？

今回の記事では、これらの疑問を解消し、ジャコウネココーヒー（コピルアク）の真実に迫ります。
豆の洗浄や処理がどのように行われているのか、またジャコウネココーヒーに対する一般的な誤解や偏見を解明し、その本当の姿を明らかにします。

ジャコウネココーヒー（コピルアク）とは

ジャコウネココーヒーの起源、製造過程、特徴

ジャコウネココーヒーとは、コピルアクと呼ばれるジャコウネコの糞から採取された豆を使ったコーヒーのことです。

その起源は17世紀初期のインドネシアにあります。当時オランダの植民地であったインドネシアは、オランダ人によって持ち込まれたコーヒーの栽培を行っていました。しかし、インドネシア人がコーヒーの実を収穫して飲むことは許されていませんでした。そこで、インドネシア人は野生のジャコウネコの糞からコーヒー豆を採取して飲む方法を生み出したのです。

コーヒー豆は、正確には豆ではなく、コーヒーの木から採れるコーヒーチェリー（コーヒーの実）の種子を指します。ジャコウネコは、このコーヒーチェリーを好んで食べますが、種子は消化されずに糞として体外へ排出されます。その種子を洗浄して乾燥し、焙煎することで、独特な風味を持つジャコウネココーヒーが出来上がるのです。

ジャコウネココーヒーは汚い？

疑問、「ジャコウネココーヒーは汚い？」について解説します。

ジャコウネココーヒーは、その独特な採取方法から「汚い」「不衛生」といった印象を持たれることが多くあります。
その最も大きな要因は、ジャコウネコの糞の中からコーヒー豆を取り出しているという事実です。動物が一度体内に取り入れて排出したものを口に入れることに、抵抗が全くない人は少ないでしょう。
特に猫の糞というと、臭いがキツいものをイメージする人も多いのではないでしょうか。コピルアクは、ジャコウネコが糞をしてから2時間以内に採取したものを使うと決められています。排出したばかりの糞から取り出すというイメージも、汚い・不衛生と思われてしまう一因と考えられるでしょう。

ジャコウネコとコーヒーチェリー糞からとれるという誤解

ジャコウネコとコーヒーチェリーについての誤解を解き明かします。ジャコウネコの食性、コーヒー豆の採取プロセス、そして豆がどれほどの量しか得られないかを詳しく解説します。

・ジャコウネコは果物しか食べない猫
・糞に臭いがない
・生豆と糞が直接触れない

ジャコウネココーヒーは、ジャコウネコの糞から豆を採取するため「汚い」「不衛生」と誤解されることがありますが、実際はその通りではありません。ここではジャコウネココーヒーに関する誤解について解説していきます。

・ジャコウネコの糞は臭い？
一般的に猫は肉食のため、糞も臭いというイメージがあります。しかし、ジャコウネコはコーヒーチェリーなどの果物を好んで食べる動物のため、糞は臭くありません。また、ジャコウネコの糞は、腸内の酵素の働きによって甘い良い香りがするとも言われています。

・コーヒーに使っている豆は糞に触れている？
ジャコウネコの糞から取り出していると聞くと、豆もジャコウネコの糞に直接触れているものと考えていませんか。実際は、コーヒーに使う生豆がジャコウネコの糞に直接触れることはありません。
ジャコウネコはコーヒーチェリーの実の部分を食べ、残りの種子の部分は丸のみしてしまいます。コーヒー豆の種子の周りにはパーチメントやシルバースキンと呼ばれる皮があり、実際に焙煎する際にはこうした皮を剥がした生豆のみを使用します。そのため、生豆が直接糞に触れることはないのです。

「ジャコウネココーヒーは汚い？」その衛生状態について

コピ・ルアクコーヒーの製造過程での衛生管理、豆の洗浄と処理方法

ジャコウネコから採れるコピルアクは、決して汚いものではないということが分かりました。とはいえ、糞から採取した豆をどのように加工しているのか、衛生管理がしっかり配慮されているのかについては気になるところと思います。以下にジャコウネココーヒーの製造過程について解説します。

１． ジャコウネコの糞からコーヒー豆のみを採取する。
２． 採取した豆をザルで何度も洗浄しては、乾燥させる。（糞が完全に取り除けるまで繰り返す）
３． 最後にしっかり天日干しして乾燥させる。
４． 手作業で豆の皮を剥いて、焙煎する。

このようにジャコウネココーヒーは、糞から豆を取り出した後に、念入りに洗浄し乾燥しています。また、最終的には糞に触れた外側の皮も剥いているため、衛生的にも全く問題ないといえます。

ジャコウネココーヒーに対する一般的な誤解と偏見

ジャコウネココーヒーについて広く信じられている誤解や偏見

ジャコウネココーヒーは「汚い」「不衛生」だという考えは、その特徴や製造過程から誤解であることが理解できたのではないでしょうか。しかし、ジャコウネココーヒーに対する誤解や偏見はまだ見られます。
ここではジャコウネココーヒーに対する一般的な誤解と偏見をまとめました。

・独特の香りや風味はジャコウネコの糞によるもの？
ジャコウネココーヒーは独特な香りと味を持っているため、その風味が糞によるものだと考えている人も多くいます。しかし、ジャコウネココーヒーの香りや味はジャコウネコの腸内の発酵により醸し出されたもので、糞が影響しているわけではありません。

・ジャコウネココーヒーは苦い？
ジャコウネコが食べるコーヒーチェリーはもともと苦味が強いため、ジャコウネココーヒーも苦いのではないかと誤解する人も多いでしょう。しかし、ジャコウネコが体内で消化することによって本来の苦味は消え、甘味が加わるのが事実です。

ジャコウネココーヒーの品質と価値

ジャコウネココーヒーの品質とその価格設定が高い理由
ジャコウネココーヒーの風味や香りがどうして独特であるのか、またその価値について。

・1匹のジャコウネコから1日3gくらいしか採ることができない希少な豆

ジャコウネココーヒーは、100gで10,000円することもあるとても高価なコーヒーです。

その理由はコピルアクの希少性にあります。コピルアクはジャコウネコがコーヒーチェリーを食べて排出した糞からしか採取できず、簡単に量産できるものではありません。また、1匹のジャコウネコから採れるコピルアクは1日3g程度といわれ、大変希少な豆なのです。

値段は高価ではありますが、ジャコウネココーヒーには他のコーヒーにはない独特の香りと風味があります。ジャコウネコ体内の消化酵素や腸内細菌の働きによって発酵した豆は、まるでチョコレートやキャラメルのような甘い良い香りを生み出します。また、コーヒー豆が発酵することで苦味が緩和され、まろやかな味わいを楽しめるのです。

まとめ：ジャコウネココーヒー、本当に汚い？

ジャコウネココーヒーは、その独特な製造過程から「汚い」「不衛生」だと誤解を受けることがあります。しかし、実際は糞から取り出した後も念入りに洗浄するなど、衛生面に気をつけて製造しています。また、ジャコウネコはコーヒーチェリーなどの果物を好んで食べる動物のため、糞も匂いがなく汚くありません。
むしろジャコウネコから採れるコピルアクは大変貴重とされ、その甘い香りとまろやかな風味は世界でも高く評価されています。この記事を読んでジャコウネココーヒーに興味を持った方は、ぜひ一度試してみませんか？